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見学会レポート|借景とともにパッシブデザインな住まい〈倉敷市〉vol.2

前回のブログに続いて、倉敷市での完成見学会のレポートです。

二日目朝は、近年珍しく水たまりが凍るほど寒い日でしたが、エアコン一台で1・2階ともに暖かく、来場いただいた方々にも納得の性能を体感いただくことができました。

本物素材(住建材設備)から始まる家づくり

今さらですがAITOHUSのAITOは、フィンランド語で“本物”という意味です。
本物の家づくりを追求することを社名に表しているわけですが、これってそれなりに覚悟のいることです。
もはや工期優先のビニルクロスや窯業系サイディング(国内の約80%のシェアといわれています)は除外するしかありません。
内外壁は、湿式工法でもある塗装・左官工事や焼杉外壁や漆喰壁を採用しています。
今後は、スライスレンガなども増やしていきたいと考えています。

玄関床面の洗出し左官仕上げと、外壁のシラス壁の重厚感ハンパないです!
外壁は、かき落とし仕上という技法ですが鏝で塗った後、剣山のような先の尖った道具でかき落とすというぜいたくな施工方法です。
さらに一手間加えることでより重厚感を生み出しています。

シラスそとん壁は20年近く前に九州で開発されたものです。
発売後まもなく採用させていただいた施主さんの最近のお話では、「近隣はほとんど外壁のリフォームをしているけど、うちはまだ当分必要がなさそうです。」と大変よろこんで下さっていました。

壁の板張りは風雨と紫外線にさらされ、半年から1年ほどで自然なグレーに変色し全体になじんでいきます。
耐久性を上げるために、”乾式注入処理”という環境に考慮した特殊な防腐処理を施した木材を使用しています。

玄関ドアには、スニッカルペール社(スウェーデンのドア専門メーカー)を採用しています。
国内メーカーが性能もデザインも優れたドアを開発してくれれば、輸入在庫などの手間がなくなりよいのですが…
窓を含めた開口部材は、先進国の中で最も遅れをとっているのが日本の住宅業界の現状です。

本物素材にこだわる理由

本物素材のみを扱うということは、在庫の運搬配送や施工など大変な労力がかかります。
それにも拘わらず、現場担当者や協力業者の人たちもそれらの重要性を十分に理解してくれているので、苦にすることなく当たり前に取組んでくれ、アイトフースの住まいづくりが成立しています。

素材に拘るとコストアップになることもあり、いつも生産性(価格)とクオリティとの葛藤があるわけです。
しかしながら、本物の家を造るのに本物素材が必要なのは言うまでもありません。

安心安全美味な料理を作る料理人が素材に拘らないなんてことないはずです。
特に、日本料理は素材を活かすことが最も大切だと思います。
本当に良い素材を料理人の技術力で最大限に活かすことが、最も美味しい料理につながるはずです。(もちろんホスピタリティも大きく影響しますが。)

本物素材+技術力+ホスピタリティ

住む人の立場で考えると、特に窓ドア・内外壁の選定は優先順位を高くするべきです。
最初のコストだけを優先して品質の良くないものを採用してしまうと、温熱環境や室内汚染など日々の暮らしに直接影響するだけでなく、長期でみると光熱費やメンテナンス費用によって同等又はそれ以上の費用がかかってくるのです。

きっちり初期投資することで、暮らしの質が大幅にアップし、費用対効果が十分にあることを知っていただくことが大切です。
これらの詳細は月に一度開催のSUMAIKU(住まいづくりの勉強会)にてお話させていただいています。

また、クオリティの高いお住まいのみ完成見学会を開催しているのでは?という疑問がある方もいらっしゃるかと思いますが、全棟モデルハウスと同等クオリティであることは、施工事例(住まい別)gallary(カテゴリー別施工事例)をご覧いただくことである程度解消できるのではと思いますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。 

Author nishie

前回の記事はこちら
▶ 見学会レポート|借景とともにパッシブデザインな住まい〈倉敷市〉vol.1