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北欧照明から学べること
2021年11月23日

暗さは豊かさを生む

こんにちは、設計の柴田です。

私は以前、海外ボランティアとして半年ほどデンマークの幼稚園で働きながら、ホストファミリーと生活をしていました。デンマークでの生活を通して気づいたことの一つに「暗さは豊かさを生む」という考え方です。

暗さを愉しむ

デンマークでは、キャンドルを使う習慣があります。カフェやレストランはもちろんのこと、ホームパーティーをするときにもそこには必ずキャンドルがあります。

私が滞在していた家庭では、日照時間が短くなる9 月末ごろからキャンドルが登場します。特別な日というわけではなく、当たり前のように毎朝、毎晩窓辺にはキャンドルの灯りが灯っていました。(1 シーズンで200 本のキャンドルを使うそうです!)

ある日、ホストマザーに「どうしてデンマーク人は、キャンドルを使うのか?」と聞いてみたところ「デンマークの冬は⻑いでしょ。暗いと気持ちが落ち込むかもしれないけれど、それは決して悪いことではないし、暗さを受け止めてあげることも大事。暗いから灯りが生きる。暗さを愉しまなきゃ!」と返ってきたのです。

「明るい」がベースにあった私にとって、その真逆な考え方はとても衝撃的でしたが、それと共に心があたたかくなったことを今でも覚えています。

Hygge の秘密

仕事で照明計画をしていることもあり、デンマークでの照明計画はとても興味深いものでした。
実際のところ、デンマークの家は暗いです!だからといって、生活に困ることはなく、その暗さがとても心地よく、むしろ日本が明るすぎるのでは!?と感じられました。
室内を観察してみると、天井や壁にはいくつもの照明があり、フロアスタンド、テーブルランプもあります。ですが、実際に使っている照明は、1 つや2 つ。必要な場面によって照明を使い分けているとのこと。

食後の休憩時間、お父さんがいつものお気に入りの照明を灯し「ね、Hygge でしょ!」と。また別の家庭では、全ての照明を消し、ダイニングテーブルの照明だけで夕食。そして、友人は、他の照明を消しフロアスタンドのヘッドを天井に向け、映画鑑賞。

それぞれが自分にとっての心地よい灯りや、そのための照明器具の使い方を知っています。デンマークの人たちにとって「灯り」はとても大切です。また、「灯り」が住まいを大きく変えることも知っています。

デンマークでの生活を通して、全ての照明を点けて生まれる心地良さが完成ではなく、そこから灯りを足したり、引いたりしながら、自分だけの特別な空間を作ることで、本当の心地よさが完成されていくのだと気づかされました。また、暗いことは決してマイナスな要素ではなく、「灯り」を引き立て、ゆたかな空間づくりには必要なものということです。

アイトフースの住まいでも一室他灯の計画を取り入れ落ち着いた時間を過ごしてもらえるような空間をご提案できれば幸いです。

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