デンマーク老舗家具メーカー|カール・ハンセン&サン
求められる北欧インテリア
“新しい生活様式”という言葉が浸透してきた昨今。
アイトリブにお越し頂いたお客様からは、「物選びの基準が変わっていくなかで行きついたのが北欧家具だった」というお話しをしばしば聞くようになりました。
たしかに今クールのドラマをいくつか観ていると、セット内で使われている椅子がYチェアだったりレクリントの照明だったり…普段店頭で眺めている北欧のインテリアをテレビの中で見かける機会が、何となくですが以前より増えてきたようにも感じます。
そもそもなぜ北欧家具なのか?そう考えたときに、やはり“人中心”の考え方のもと生まれたという点が一番に思い浮かびます。
時代を超えて今もなお愛され続けている家具や照明は、元をたどってみると身近な家族や友人のために、さらには国民のためにという思いがきっかけで形となっているのです。
特に、幸福度ランキングでも常に上位のデンマークでは社会制度(福祉や雇用、就学など)が充実しており 国を挙げて“人中心”の文化が根強く、日々の暮らしの中でインテリアが発展した理由は 気候風土による生活スタイルだけではないと感じます。
そんなデンマークで当時活躍していたデザイナーたちが手掛けたデザインを 現代で私たちが手にすることができている背景には、その姿を変えることなく品質を保ち続けているファニチャーメーカーや工房があります。
今日はその中から、創業より100年以上の歴史を持つデンマーク家具メーカー『カール・ハンセン&サン』にスポットを当ててご紹介させていただきます。
クラフトマンシップ×機械化を両立させたメーカー
『カール・ハンセン&サン』といえば、“Yチェア”の愛称でお馴染みの「CH24」を生産しているということをご存知の方も多いかと思います。家具職人でもあった創業者のカール・ハンセンは小さな家具工房から出発し、工房に機械の導入をすることで少しずつ量産体制を整えていきました。その最中、経営を引き継ぎ会社の方向性を模索していた息子のホルガー・ハンセンは、当時まだ無名であったYチェア生みの親ハンスJ.ウェグナーと出会います。
ウェグナーは工房の特性を見極めるのが得意でした。海外への販路を視野に入れ量産体制を整えていきたいカール・ハンセン社、工房にはそのための設備機器と腕の良い職人たちが。生産設備を確認したウェグナーは、双方の良さを発揮できる5脚の椅子をカール・ハンセン社のためにデザインしました。それが、現在生産されているCH22・CH23・CH24(Yチェア)・CH25・CH26です。(余談ですが、現在のカール・ハンセン社の丸いロゴも同時期にウェグナーがデザインしたそうです。)ウェグナーはカール・ハンセン社 発展の歴史を支え、また協働を機にさらにデザイナーとしての頭角を顕にしていきます。こうしてみると下積み時代のウェグナーに社運をかけたホルガーの挑戦、凄いです。
「優れたクラフトマンシップと最新技術を融合し、質の良い家具を適正な価格で、より多くの人々に提供すること。」という創業当時からの変わらぬ理念を持ち続けるカール・ハンセン社。そして、「機械化できる部分はどんどん機械化したらいい。ただし、手仕事よりも高い品質と適正な価格をもたらす場合に限ってのみ、機械は有効です。機械化することで質を落としてはなりません。」と口にしていたウェグナー。カール・ハンセン&サンとハンス J.ウェグナーの結びつきは強く、両者の思いの重なりから生まれた家具は今日も世界中の人々の暮らしの中で生きています。
[画像参照:カール・ハンセン&サン ウェブサイト-CARL HANSEN & SØN-]
*現在、カール・ハンセン社のダイニングセットキャンペーンと合わせて『AITOLIV SPRING OFFER』を開催中です。近日、別ブログ記事にてカール・ハンセン社のダイニングテーブルをご紹介予定ですので、お引越しやご新築予定の方、買い替え等をご検討中の方はご参考にして頂けましたら幸いです。