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広島のデンマーク「アンデルセン」

Publish :
2015.03.08
Category :
ブログ

前職時、20代後半を松山で在住し、出張で度々広島に来ることになり、市内をゆっくり見る機会にも恵まれた。 平和大通りの広さに加え、大木の街路樹たちやイサムノグチ設計の平和大橋。そして、初めて訪れたアンデルセン本店に広島という街を印象づけられたことを思い出します。本通本店の重厚な建築インテリアは、それまで味わったことのない独特な空気感…洗練されながらも、あたたかなインテリア。本物の家具備品のみならず、制服やロゴなどの印刷物、ゴミ箱に至るまでの細やかな気配り。それは、日本のどこにもないだろうと想像させるのに充分な店づくりだった。もちろん、それは今でも変わらない。それ以来通っています…今だに。その数年後、デンマークに行く事ができ、チボリ公園やルイジアナ美術館だけではなく、ミニコンサートをしている街の本屋さんなど、特別な場所ではない所でアンデルセンと同じ空気感を体感することができた。「お手本はいつもデンマーク」 たしかに…まちがいない! 広島アンデルセンは本物を伝えていると確信したのでした。

「天使たちの想像」というタイトルのレリーフがエレベーター側入口にあります。よく見ると石釜らしき釜でパンを焼きながら(バイキング人形に隠れているけど)天使たち?が演奏(想像)している。ほっこりとあたたかなデンマーク。そして、アンデルセンの企業姿勢を象徴したかの様なレリーフ。 歴史ある建物(もともと銀行)は、創業者ご夫婦の欧州視察から 「歴史的な建物の中で、現代的な新しい感覚の商売をしているのを目の当たりにし、古い物を大切に生かし、新しい物を生み出している様に感動し決意した…」と数年前に直接創業者ご本人(奥様)に、お話を伺う機会に恵まれ、50年も前にそのような判断をされたことに大変感銘を受けたのでした。 まだパンが生活に根付いていない時代であり、大阪万博が開催された時代なわけで高度成長期…利益を追求し、単にパンの販売というだけでも業績は伸ばせたかもしれません…先ず、食卓の豊かさや、デンマークの文化を伝えて貢献しようという企業姿勢が今も尚、続いていて結果的には、その理念からくる経営は他のパンメーカーだけではなく、企業として一線を隔しているのではないかなと…広島の食文化だけではなく、インテリア業界などにおいても、とても影響が大きい企業だと思う。 デンマーク家具を扱うインテリアショップが、東京を除いて、最も多いこと、日本で唯一の北欧専門のCDショップがあることなどもアンデルセンという会社の影響以外、要因を考えることができない。

2階のビュッフェレスランからベビーカーの人から、高齢者の方まで楽しむことができるのも、こちらの店の特徴です。そんな店は、そうそうありそうで無い、広島で愛されている要因でもあります。 コペンハーゲンのチボリ公園が正にそれ…特にこれといったアトラクションがあるわけではない遊園地。一見、40年ぐらい前の日本の遊園地のようだが、何故か小さな子供さんからご老人までほっこりとした雰囲気で、ゆるりと楽しめる場所。本当に必要な物は何か?と考えさせられる場所でもある。

毎年、6月にはデンマークフェアが行われる。その時期には、「サーモンいくら丼」が。もちろん丼なので、サーモンの下はご飯!「和と北欧のベストマッチングじゃー」 充分美味でございましたが、個人的には、すし辰の炙りサーモンのように香ばしくバーナーで炙って食したいところですが、いくらなんでも無理は承知です。なので来年は、バーナーをバックに忍ばせてマイバーナー持参しようと考えています?

それにしても、冷静に見るとパンの価格が高くなった?しかし、これは仕方ないことなのだろう。添加物だらけの大手パンメーカーではないし、前述の通り、ただ単に、利益追求型でパンを売っている会社ではないのだから… 企業理念を貫いて、本当に広島で愛されている企業なのだから…決して高くはない。