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岡山市 Y邸現場確認

Publish :
2013.01.22
Category :
ブログ

昨年末に倉敷で初めて岡山県内 第一軒目を完工させていただくことができました。 こちらは岡山市内で第一軒目のY邸です。 岡山駅からも程近い平地 岡山では平地が当り前という感覚らしい 土地の価格も広島の郊外と変わらない価格ですので 広島とは、ずいぶん住宅事情は異なります。

写真は年明けに施主のYさんに現場にお越しいただき 電気のスイッチやコンセントの位置の確認を させていただいているところです。 この日は、わざわざ高松から瀬戸大橋を渡って お越しいただきました。 世間一般に新築された方のアンケート調査では 不満点No1は電気設備だという結果が出ています。 スイッチやコンセントの位置が不適切で使いづらいということです。 場合によっては、ストレスになることもあるようですので ここは現場にて慎重に確認が必要です。 この時点でほとんどの造作家具や家具のサイズ、庭の基本計画まで 決定しているので通常できないような照明の使い方ができる他 「かもしれない照明」で照明が多すぎるということがありません (普通より暗い? 陰影ある照明をお奨めしているというのもありますが….) そんなことで本当に必要な部分に予算を回すことができるのです。 かなり一般的なご予算で、くつろぎの照明計画になっていると自負しています。 大きな味付けの違いを出せる部分の一つだと認識していますので 外部の照明業者に計画自体を依頼することはありません。 Yさんとは4年ほど前に広島に転勤在住時に 奇跡的に出会うことができました。 転勤の多い関係で札幌や広島そして現在は高松に在住 この度は、奥さんのご実家のある岡山で定住ということになられました。 初めてお会いした時は、いろいろな地で見学会などに参加され かなり、住まいやインテリアに意識の高い方だという印象でしたが 岡山で建築のご予定ということで、当時はまさか建築させていただけるとは 思ってもみませんでした。 転勤後しばらくして 「色々見たけどやっぱり建築して欲しい………. 断られると後どうしていいのか解らない」 とまでおっしゃっていただき熱意にも押され、現在に至っていますが おかげさまで岡山という市場が見えると同時に 広島の事情も明らかになる部分もあり 視野を広く持てる要因となっているように思います。 Yさん、本当にありがとうございました。

こちらのY邸の屋根は「窯変瓦」と呼ばれる特殊な瓦です。 陶磁器を焼く際、炎の性質や釉の含有物質などが要因で 予期しない釉色変化を求めて作為的にも行われる焼成方法で ちょうど岡山の備前焼にほぼ近い手法なのですが 一枚一枚が上品に微妙に美しいのです。

こちらは軒先の瓦の下にある木部 「鼻隠し」という部材で 屋根の構造部分の垂木の端部木口を隠すための意匠的なことと 軒樋の取付けをする部分としての役割もあります。 この部材は古くから焼杉材を専門的に製材加工している 愛媛県の製材工場から供給していただいています。 これらは、加工された杉材の表面をバーナーで焼き 炭化層部分をワイヤーブラシで擦り落します。 そうすることで、柔らかい部分の木目表面が削ぎ落とされ 堅い部分の木目が残り、凹凸のある美しい木目の「浮づくり」 状態になります。 昔からあるガッツリ系の深堀りな焼杉ではなく どちらかというと木目の美しさと、杉材の表面の含水を飛ばして 塗料を充分に含浸させる為と腐朽菌を抑える為に焼く感じですが 単に、木部に木材保護塗料を塗るだけに比べると明らかに耐久性が上がるのです。 この部分は非常に地味な部分です、施主さんも関心度が薄い部分 当然、この部分をこだわる方も過去にいらっしゃいません。 最近では窯業系のサイディング素材 のような部材を使用するのが一般的ですが サイディングという新建材の代表的な建材は使用しません。 素焼瓦や漆喰壁には今一つしっくりこないのも理由の一つですが 文章が長くなるので今回は書きませんが サイディングは全否定していますし、当然、採用したこともありません。 そんなわけで、焼杉材をこのように特別製作しいただいています。 部材一つ一つの質感や耐久性、機能性を厳選していくことが 全体の雰囲気をつくりだすので手間を惜しまず取組むことが 家づくりの重要な部分だと思うのです。